木風舎 自然を感じるネイチュアリングスクール

木風舎日記


高校って、大学の予備校?

11月06日

高校の必修科目未履修のニュースが、新聞を賑わしています。

なんと全国の約1割の高校が、単位の虚偽申告をしていた・・なんだか、今の教育のあり方を象徴しているような気がします。

履修していない科目の多くは、世界史、家庭、保健体育、情報など。
「大学入試に関係ないから」というのが理由のようです。

でも、例えば科学者の社会的責任がこれほど問われている現代の状況の中で、
仮に理系に進むからといって、世界史を理解していない科学者が世の中に出たら・・

あるいは衣食住をないがしろにしてモノの生産ばかり追及してきた現代社会が、
どんなひずみに陥っているか・・

などなど考えると、なにか本末転倒しているなあ、と思うのです。

受検科目だけに絞って、それだけを勉強して、
その結果大学に入ったとしても、
「大学には入ったけれど、何をしたらいいの?」という学生を、大量に生み出すだけではないでしょうか。

大学入学が、目的ではないはず・・

今、学力低下etc.が盛んに言われていますが、
諸外国にくらべて経済的にも豊かで、塾に通う生徒も圧倒的に多く、進学熱の高い日本の子どもたちの学力が、それでも低下しているのは、けっして「ゆとり教育」のせいではなく、学ぶことへの興味や、学びたい意欲、目的意識の問題だと思うんです。

こんなことを書くと自慢話のようになってしまって恐縮なのですが・・
一つの身近な体験例で言えば、
息子は高校のときに、選択科目が増える3年になっても、受検科目にまったく関係なく、取得できる単位の上限ギリギリまで多く取って、1時間も休むことなく通っていました。
「せっかく授業料払ってもらって、高校行ってやすからねぇ・・」と言いながら,朝自分であやしげな弁当を作り、往復60kmの道のりをマウンテンバイクを漕いで・・

もちろん、息子だって最初からそうだったわけではありません。
これはその高校の、充実した授業内容のおかげだと思うんです。
高校入学の頃は、「3年になると最低1日4時間授業でいいんすね!」などと言って喜んでいたものです。
でも、実際高校に通ってみると、授業内容がおもしろくてしかたなかったようです。
そこがポイントなのかな、と思います。

もちろん普通の教科もあるのですが(それも「まずなぜ?を考えること」や「プレゼン」「討論」などが多かったようですが)、
選択科目では、「機械工学」で50ccエンジンを利用した自動車を設計して、鉄パイプを溶接するところから始めて完成させて「HONDAエコラン」(燃費レース)にチャレンジしたり、「農山村研究」では農山村の現状を学んでから宿泊実習に行ったり、「日本語と論理」で論理的思考を学んだり、受検には関係ない「生物U」や「物理U」も履修して「知の冒険」を楽しんだり、高校生活を謳歌していたようです^^

他にもカリキュラムを覗くと、「ルポルタージュ研究」ではプロのルポライターが講師になって、ルポの書き方を実習したりとか、韓国文化、沖縄・・など知的探究心をくすぐるようなものばかり。
思わず「僕も受けてみたいなあ・・」と思ってしまうのです^^

受検科目はもちろん、卒業にも関係ない選択科目も多いのですが、やっぱりこの時期に大切なのは、知への探究心や、興味、目的意識じゃないかなあと思うんですよ。

で、やっぱり高校は大学受験科目の予備校じゃなくて、授業内容そのものをおもしろく充実させることが、大切なんじゃないかって、思うのです。

探究心や興味さえあれば、大学入学の結果だって、そんなにキューキューしなくても、あとから自然についてくると思います。(大学入試の変革も、まだまだ必要だと思いますが)

大学も目的意識を持って選んだ彼は、今も1時間も休むことなく、一人暮らしを始めた下宿先から、授業に通っているようです。
「せっかく授業料と下宿代払ってもらって、大学行ってやすからねぇ・・」と言いながら。

僕はそんな彼の生き方を、支持したいと思います。

高校って、ただの大学の予備校なの?
偏差値の高い大学に受かれば、あとはただバラ色なの?

と、いろいろなことを考えさせられる、高校単位未履修問題でした。


はしや | 2006年11月06日 15時15分
今日の木風舎

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