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平地から急斜面までこなす毎日新聞日曜版に連載された、橋谷晃の「雪の森を歩こう」を再録します。 前回登場したテレマークスキーについてもう少し詳しく紹介したい。 滑り専用で、かかとが固定されたスキーをアルペンスキーという。 平地専用で、走るのに適したスキーをクロスカントリースキー(以下クロカンと略)という。 これらに対しテレマークスキーは、滑りも歩きも楽しめる、 アルペンスキーとクロカンの中間のような存在、ということができる (わかりやすくするために、ややおおまかな表現であることをお許いただきたい)。 スキー板は、アルペンスキーよりやや細く、クロカンよりずっと幅広のものが多い。 エッジやサイドカーブがついているので、滑りもそこそこ安定する。 滑走面に歩行用の滑り止めの刻み(ステップカット)がついているものと、 いないものがあるが、ハイキングで活躍するのは、刻みがついているタイプ。 ブーツは登山靴のようなしっかりした革製のものが多い。 ビンディングはつま先だけを固定し、かかとは自由に上がる。 セットの重さは、アルペンスキーの半分くらいだ。 このテレマークスキーを使ってハイキングすると、クロカンに比べて、 次のようなメリットがある。 トラックを速く走りたいのなら、クロカンにはかなわない。 でも、森をのんびり歩くのだったら、テレマークの方が安定する。 ゲレンデを飛ばしたいのなら、アルペンスキーにはかなわない。 でも、アルペンスキーは歩くことができない。 テレマークスキーは平地の森歩きから、山の急斜面までこなす、 オールラウンド・プレーヤーだ。 また、ほかに歩けるスキーとして、山スキーがある。 これは板もブーツもゲレンデのスキーとほとんど同じ。 ビンディングは、かかとの固定と解放の切り替えができる。 滑走面にステップカットはないので、登りではシールという滑り止めを張り、 下りでははがして滑る(テレマークでもステップカットのないタイプはシールを使う)。 重さはゲレンデ用のスキートあまり変わらない。 山スキーでは、緩い地形をハイキングするには、あまりにも重ったるい。 しかし、急斜面や重い荷物には強い。これは重荷を担いで、 シールを張って山頂を目指して登り、滑り降りて来るような登山に適した道具で、 緩い起伏が連続するような森のハイキングのための道具ではない。 クロカンはジョギングの道具、山スキーは登山の道具 (ステップカットのないテレマークは、より緩やかで自由な登山の道具)、 そしてテレマーク(ステップカット付き)はハイキングの道具、 ということができる。 (1997年10月26日掲載) |