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レンタルで気軽に出かけよう毎日新聞日曜版に連載された、橋谷晃の「雪の森を歩こう」を再録します。 前回はスクールについて紹介したが、 それ以外に好きなときに出かけて行って遊びたい人には、 レンタルを利用できる宿がある。 ファミリーや友人どうしなどで、 いつでもフリータイムで遊べるのが魅力だ。 いくつかの宿のオーナーに、こ ういったスキーを置くようになった思いを聞かせていただいた。 長野県の戸隠山と飯綱山の間に広がる、 のびやかな戸隠高原。ここでロッジ「もみの木山荘」 を経営する徳武和彦氏(56)もその一人だ。太い梁と磨かれた木の床、 囲炉裏や暖炉のまわりで宿泊客どうしが和やかに語らい、 薪の燃える香りに思わず「ただいま」 と言いたくなるような雰囲気のロッジだ。 「僕はもともとゲレンデより自然の中が好きだったから、1968年に開業したときから、 レンタルはクロカンしか置かなかった。でもここ数年かな、 ネイチャースキーをしたいって来るお客さんが急に増えたのは。 なんだか我が意を得たりって感じで、嬉しいことだねえ。 昔のレンタルはもう古くなったので、今年からエッジの付いたスキーをそろえたよ。 人間が自然を保護するなんていう分不相応な話じゃなくて、 人間もキツネもタヌキも、お互いの分を守って、 分かち合って暮らそうじゃないかという、 ごく当たり前な感覚なんだなあ。」 同じく長野県の乗鞍高原も、乗鞍岳の美しい姿をバックに、 一ノ瀬園地や乗鞍自然園などが広がるネイチャースキー好適エリアの一つ。 ここでは10軒ほどのペンションがそれぞれ数台ずつのレンタルを持ち、 お互いに融通し合うという試行を始めている。 言い出しっぺのペンション「小さな国」のオーナー藤田直登氏(49)は、こう語っている。 「ペンションの名前は、佐藤さとるの童話『だれも知らない小さな国』からもらいました。 一人の少年がコロボックルの小さな国と出会い、 彼らの住む森を仲間の協力と知恵で守っていく話です。 ここに住むからには、何とかここの自然の役に立ちたい。 そのためにはいい自然があるからこそ人が来て、 地元の経済が成り立つという構造をつくるのが、 いちばん説得力がある。バブルのような集客ではなく、 本当にここの自然が好きで、 足しげく通ってくれる常連をたくさん持つのが、 これからのペンションが生き残る道だと思います。」 そして福島県・裏磐梯高原のペンション「もくもく」のオーナー清水秀俊氏(39)は、 「せっかく人生好きなことをやるためにペンションを始めたんだから、 遊びの中身やお客さんとの付き合いも、 楽しめるものでなくちゃね。せっかくここまできて、 車から眺めたり、スキー場の中だけじゃ、もったいないよ。」と、 地酒を片手に熱く語る。 さまざまな人の、それぞれの思いの中から、ネイチャースキーの輪が広がっている。 (1998年1月18日掲載) |