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人と自然が共生し未来開く毎日新聞日曜版に連載された、橋谷晃の「雪の森を歩こう」を再録します。 ネイチャ−スキ−を体験すると、 「のめり込み度」が非常に高いことは前にも書いたが、 今回はそんな何人かのスク−ル参加者にインタビュ−をしてみた。 まずネイチャ−スキ−を始めたことで、 自然への見方や感じ方が変わったかどうか。 「以前は、例えば樹はただの樹としてしか意識していなかった。 今では樹にも人間と同じようにそれぞれに顔があり、 名前があることが実感できる。」と語るのは、 東京都に住む保母、本間薫さん。 スキ−を履けば自由に動けるので、 気になる樹の一本一本に近づいて、 抱きつくように触れられる感覚が大好きだという。 「街にいるときでも自然を意識するようになった。 会社の窓から見る街路樹の変化にも、 季節を感じて、毎日ちょっといい顔して過ごせることが嬉しい。」 と話してくれたのは、神奈川県の会社員、井関みどりさん。 今年は東京近辺も雪の日が多かったので、 そんな日に喜んで外へ出かけたくなる気持ちは、 去年までは考えられなかったという。 この連載も職場で回覧してくれているそうだ。 そして「かつては自分と自然との間に距離感があり、 例えば自然環境の問題についてもその距離感がネックになって、 頭ではわかっていても私にはとても……と構えてしまっていた。 今は自然と私は一緒なんだという実感が持てるので、 自分のこととして考えられる。」と言うのは埼玉県の団体職員、 高橋美智江さん。私たちの活動も、 ボランティアで何かと手伝ってくれている。 自分自身の気持ちの変化はどうだろうか。 「忘れていたものがよみがえっていく感覚。 無心に遊ぶ時間を感じられるのは久しぶり」(高橋さん)。 「森の中はとても居心地よくて、楽に構えられる。 みんなの顔がだんだん子供みたいになっていくのが好き。 感動を共有し合える友達もたくさんできた。」(井関さん)。 「自分自身が楽になっていく。 自然の中で、私も自然になれる」(本間さん)と、 肩の力が抜けて自然体になれることや、 自然に癒される効果をそれぞれ語ってくれた。 今、自然環境の未来と私たち人間の未来は、 一致することが認識され始めている。 しかし、私たちの生存の基盤である自然環境を、 今なお壊し続けている現実も進行している。 大切なのは、自然が「貴重だから保護しなければいけない」 のではなく、樹や草も、鳥や動物や魚も、 そして人間も、 すべていのちのつながりの中で生きていること、 自然と人間が対峙しているのではなく、 私たちも自然の一部であり、 そこからいのちを受けていることを実感することなのではないだろうか。 ネイチャ−スキ−はそれを感じる、 とても素敵な手段だと思う。 そして自然の中での「いい体験」が、 地球環境の問題を解決するエネルギ−源になることを願いつつ、 今日も雪の森を楽しんでいる。 (1998年3月29日掲載) |